ある年の1月の裏側
物語では、武骨な猫に描かれていますが、本当のモデル猫は気の優しくて小さな猫でした。周りの子猫に優しく食べ物を分けてあげたり、危ないことが無いか見張っていたり、爪とぎや木登りを教えてあげたり・・・
本当に心優しい猫です。
我が家に保護した時の猫は、ほんとうに安どと同時に落胆の気持ちが伝わってくるような表情をしていました。
厳しい冬から逃れることができた安どと、これまで拒絶し続けてきた我が家の中での生活を始めたこと。この二つが入り混じって複雑な心境だったのだと思います。
ただ、私にとっては安どの気持ちしかありませんでした。
もちろん、冬の寒さで弱ったり雪に生き埋めの心配が無くなりますが、この猫は他の猫にいじめられていたのです。夜になると猫の悲鳴が上がり、私はライトを持って飛び出すのが一度や二度ではありませんでした。血だらけになったこともあれば足を引きずっていたこともありました。体力も衰えてきて、心配な夜が続いていました。
我が家のの中にいれば、いじめられることはありません。猫を我が家の一員として迎え入れて以来、猫が喧嘩していても気にすることもなくなりました。大事な猫が家の中にいますから。