2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ある年の8月①

暑くなってきた。この暑いのが吾輩は大嫌いである。 だが、吾輩はとてつもない発見をしたのだ。「ニンゲン」どもの後を付いていくと、涼しいのだ。 よくわからんが、上から風が吹いている。その風が何とも言えぬ快感なのだ。 「えあこん」やら「センプウキ」…

ある年の7月の裏側

冬の厳しさから猫を保護して、気が付けば半年がたちました。 いつか出ていってしまうだろうと思いながらも過ごし続けています。ノラとはいえ、自宅周りをうろうろしていましたから、多少は我が家にも愛着があったのでしょう。 ただ、一度だけ外に出しました…

ある年の7月④

若い奴が去ってから吾輩は考えた。 吾輩も若かった時小さかった時は誰かに助けてもらっていた。「へび」やら「からす」やらから守ってくれていたのを思い出す。 あの若い奴はそれを覚えていたが、吾輩は忘れていた。だが、それが良いのだと思う。恩を着せた…

ある年の7月③

「ここにいたんですか」 強くなりつつある日差しを避けて眠っている我が輩に話しかけてきたやつがいる。 みると、見たことのない奴だ。若い。 「覚えていますか?去年の今頃、からすに襲われてるところを助けていただいた・・・」 思い出した。からすにやら…

ある年の7月②

我が輩がここにきてから「ハンドシガタッタ」とニンゲンどもが言ってきた。 ニィチャンがあの寒い日に捕まったことから、このねぐらでの生活が始まったのだ。快適ではないが、不快でもない。 若い時にねぐら暮らしであればイライラしただろうが、この年にな…

ある年の7月①

このねぐらの「ニンゲン」どもが「オモチャ」とやらを狩ってきたらしい。 これで遊べという。ふざけるな。何が楽しくてそんなものと遊ばねばならん。我が輩がここにいるのは、それなりに食えてそれなりに眠れるからだ。 ほんとうに冗談ではない。 我が輩を他…

ある年の6月の裏側

春先にはあれほど外に出たがっていたのに、ケガしたからか梅雨なのか解りませんが、外に出ようとしなくなりました。 雨が降っている外を眺めて、「濡れなくてよかった」という顔をしています。 このころから、野良猫たちが家の周りに寄り付くようになりまし…