ある年の7月②
我が輩がここにきてから「ハンドシガタッタ」とニンゲンどもが言ってきた。
ニィチャンがあの寒い日に捕まったことから、このねぐらでの生活が始まったのだ。快適ではないが、不快でもない。
若い時にねぐら暮らしであればイライラしただろうが、この年になると出歩くのもおっくうになる。ここにいれば狩りをしなくても良い。体はなまっとるかもしれんが、「きゃっとたわぁ」や「カイダン」使えば、ある程度の体力は維持できておる。
研究の結果では、吾輩たちは歩き回るより、このような「きゃっとたわぁ」や「カイダン」を使った上下の動作を行うことによって体力や筋力の維持向上がもたらされるのだそうだ。
あくまでも「ニンゲン」どものやっていることだがな。
このねぐらには、もともと「カイダン」があって、ニィチャンが「きゃっとたわぁ」狩ってきた。
であるので、ある程度の負荷はかけられるのである。ニィチャンが「ふぃっとねすじむ」に行くのだが、我が輩には不要なものである。