ある年の2月①
外の雪は少しも減らない。吾輩がこのねぐらに転がり込んでからも雪が増えているようだ。
もし、今までのように外にいたと思うとぞっとする。
「ニンゲン」の庇護を受けるまで落ちぶれたかと屈辱的な気分であったが、生きているだけで良しとしよう。気安く触ってきやがって虫唾がはしるがな。
今まで好き放題動き回っていたが、このねぐらには「カイダン」というものがある。なかなが眺めがいいではないか。「ニンゲン」どもを見下ろすのは何ともいえん心地よさよ。
ともかく「ニンゲン」どものねぐらは暖かい。吾輩がこれまで使っていたねぐらとえらい違いだ。
この「すとおぶ」というものは何だ。近くにいると暑いくらいだ。
眠くなってきた。あったかいと眠くなる。
ひと眠りするか。