ある年の2月②

 「ニンゲン」どものねぐらで過ごすのも悪くは無いと感じてきた。

 

 相変わらず「ニンゲン」どもは気に食わないがな。

 

 

 何より暖かい。いつも寒くて震えながら寝ていたものだ。寒くて何度も目が覚める。気に食わないやつが攻め込んできたら戦わないといけない。このねぐらだと襲ってくるのは睡魔だけだ。一日中寝ていられる。

 

 吾輩は見えない何かと戦いながら、いつも生きていた。

 

 

 「ニンゲン」のねぐらで過ごす奴らを吾輩は心から軽蔑していた。ひ弱な奴らだと。

 

今や吾輩はひ弱な奴らと変わらなくなった。それでも良い。生きていれば良いのだ。生きていれば。