ある年の2月④

 「ニンゲン」どものねぐらに住み始めてからしばらく経ち、このねぐらの「ニンゲン」関係が解ってきた。

 

 

 このねぐらには「トォチャン」「カァチャン」「ニィチャン」がいる。それと「ヨメニイツタネェチャン」と「マゴ」がたまにくる。

 

 

 「トォチャン」「カァチャン」「ニィチャン」は話しかけてきたり気安く触ってくるが、そこまでうっとうしくはない。厄介なのは「マゴ」だ。

 

 

 吾輩が寝ていようとお構いなしだ。触る撫でる持ち上げる。そしてうるさい。「マゴ」が来ると何も手につかない。であるから、「マゴ」が来ると暗がりに隠れるか、外に出る。

 

 

 

 ねぐらの外には「いぬ」がいた。怖いものなしの吾輩でも「いぬ」は厄介だった。しかし、このねぐらにいれば「いぬ」も手を出せない。

 

 「マゴ」うっとおしいが、飯が食えて暖かいから許してやるとするか。

 

 吾輩がいないからと「マゴ」が泣いているらしい。しょうがねえな。「マゴ」と遊んでやるか。