ある年から2回目の1月③

 外は「ユキ」が降っている。

 

 あの時ほどではないが、相当な量だ。あれから「イチネン」か。あの時は死ぬかと思った。とてつもない量の「ユキ」。なんとかこのねぐらに潜り込むことができて、生き延びることができた。

 

 このねぐらは退屈だ。だが、若くはない老いぼれにとっては食えて眠れればそれで良い。生きているだけで、ありがたいのだ。

 

 あとどれくらい生きることができるだろうか。それは解らない。だが、いつか死ぬ。必ずだ。

 

 心残りがあるかと言えば、ある。思い残すことなく死ぬことはできないだろう。何か不満があって生きている。それは誰でもそうだろう。吾輩にも不満はある。吾輩は物心ついた時には親がいなかった。孤独なものだ。もっと仲間に囲まれて生きていきたかった。

 

 今となってはどうでも良いが。

 

 

 ひと眠りするか。