ある年から2回目の2月⑤

 吾輩が「ニンゲン」どもから離れて過ごしていると、「ニイチャン」に捕まった。そして「ニンゲン」どもの部屋に連れていかれた。

 

 

 寒いところにいるなと言う。そして「コタツ」に入れてくれた。やはり「コタツ」は良い物だな。身体を芯から暖めて「ひぃたぁ」の風に当たった。これもまた心地良い。

 

 その後「ニイチャン」や「カァチャン」が吾輩の身体を撫でてきた。普段はうっとうしいだけなのだが、今日はなぜかゴロゴロのどが鳴った。ゴロゴロなど軟弱者のすることだと思う。だがゴロゴロが止まらない。「ニイチャン」や「カァチャン」が驚いていたが、吾輩も驚いている。

 

 「ニンゲン」どものねぐらで暮らす奴らは雨風をしのいで食いっぱぐれが無いだけのことだと思っていた。だが、どうやらそれだけでは無いようだな。

 

 吾輩ののどはいつまでもゴロゴロと続けていた。