ある年の8月③
「ニンゲン」どもの世界には「オボンヤスミ」というものがあるらしい。
「カァチャン」が「マゴ」が久しぶりに来ると言っている。「ころな」のせいでなかなか来れないから久しぶりだとも言っている。まさか、あの「マゴ」か。厄介なことになる。
いつぞやか忘れたが、吾輩は「マゴ」に追いかけまわされた。なぜ「ニンゲン」どもは吾輩を捕まえようとするのか。吾輩は誰にも邪魔されずに寝ていたいのだ。
寝ているのに体をゆすられて起こされる。不愉快なこと極まりない。吾輩に寝ることを取り上げたら何も残らないのだぞ。
ということはだ。「マゴ」が来ると落ち着いて眠れやしない。
今のうちに寝だめするか。これはひんやりして気持ちが良い。よく眠れそうだ。